GO 

2005年1月28日 読書
ISBN:4062736837 文庫 金城 一紀 講談社 2003/03 ¥470

評価;A

あらすじ
僕は日本で産まれ日本で育ったけれど、世間では在日朝鮮人と呼ばれる。ここでそういうごちゃごちゃした理論を持ち出す気はないけれど。
これは僕の恋愛に関する物語だから。
主人公「僕」は、ダンスパーティーで不思議な魅力をもつ“日本人の”女の子に出会い恋に落ちる。上記の通りこれは「僕」の恋愛に関する物語である。

レビュー♪
タッチはポップノベルというやつ。馴染みやすく、そして読みやすい。しかも差別などの難しい問題が編み込まれているから、この「GO」は、ポップノベル特有の軽さを全く感じさせず、むしろ色々考えさせられる。
特に非のつけ所はないが、個人的な意見を言わせてもらえば、最後に主人公は何を手に入れたのだろうということ。
「こんな差別や問題がありますよ」と訴えかけておいて、こうすればいいよ、とかこういう考え方もあるよ、という意見は伝わって来なかった。
この物語の主人公は理論派で、難しい学説を振り回したりするが、そういう正論だけじゃ差別とかいう問題はどうにもならない(物語の中でもそうだった)。それなのに結局、終わり方が「時間が解決、世間もだんだん変わって来てるさ」的なもので本当に良いのか??世間をもっと早く変えるため、もっと何かを訴えられなかったのか??とは思う。
ただ、こうでもしないと、ただのものすごく重い話になってしまうし、仕方ないかな。
多分終わりをこうするために後半を少し重めにしてフォローしてある気がする。こう考えると完璧な作品。
とにかく面白かったし、日本に住んでる限りためにもなると思う。面白そうだなって思った方は是非読んでみて。

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